2017年10月28日 (土)
御位牌と供養について
■ 亡くなった人の死亡年月日を記してお祀りするのが位牌です。
位牌は、
日本古来の故人霊を宿した木の札が、やがて位牌へと変化していきました。元々お釈迦様の仏舎利を収めた仏塔が変化したものとも聞いた事があります。故人様を仏(ほとけ)として祀っています。御位牌に故人の生前の人となりを、いわゆる戒名として記し、お仏壇などに安置し、手を合わせ偲びます。つまり、御位牌の存在そのものが故人の生きた証しでもあるのですね。
■ 四十九日の法要までは、仮の位牌として「白木位牌」を祀ります。
白木位牌とは、
葬儀のときに祭壇上に置かれ、忌明けまでの四十九日間、後飾りに置かれます。
四十九日法要の際に本位牌に魂をうつした後は、白木位牌には魂は残っていない為、お焚き上げして頂くことになります。
方法としては、
・菩提寺や法要に来て下さった僧侶に頼んでお焚き上げをしてもらう
・仏具店で回収して、お焚き上げしてもらう
・納骨の際に一緒にお墓へ納めてもらう (こともできるようです)
■ お位牌の呼び名と謂れ
葬儀の時にお墓に持って行って供える位牌を「野位牌」、四十九日まで祭壇に祀る位牌を「内位牌」とも言います。四十九日の法要の時に、「本位牌」を作ります。
これは、故人が亡くなってから四十九日後、故人の霊魂が浄土に往生する、あるいは転生先が決まると考えるからです。
「本位牌」には漆を塗り金箔や金粉などで加飾した「塗位牌」、あるいは黒檀や紫檀などで作られた「唐木位牌」があります。
また、生前中にあらかじめ戒名、法名をつけてもらい、位牌を作ることもあり、この位牌を「寿牌(逆修牌)」と言います。
配偶者を亡くした時に、配偶者とともに自分も戒名を授かり、位牌をつくって並べて安置するという方もいるようです。
本位牌の形や大きさには、いろいろあります。
故人一人に一基ずつ作られる台座に札板が付いた「札位牌(板位牌)」
屋根や扉のついた枠に複数の位牌をおさめた「繰り出し位牌(回出位牌)」
札位牌の大きな「屏位」があります。
「繰り出し位牌」は数枚の札板をご命日の順に重ねて入れておき、ご命日がすむと後にまわして常に次のご命日を迎える札が表にくるようにします。
何代にもわたって多数の位牌がお仏壇の中にあるという場合は、三十三回忌や五十回忌に先祖の位牌にまとめるか、「繰り出し位牌」、「屏位」にまとめます。
また、壇那寺で供養してもらう位牌は「寺位牌」と言います。
禅宗ではこれを「本位牌」と呼んでいます。
■ 浄土真宗では
浄土真宗では位牌は用いません。菩提寺にある法名軸か過去帳に故人の法名を書いて頂きます。浄土真宗は先祖供養という考えがありません。他界すれば、西方極楽浄土で仏になります。ですから、手を合わすのはご本尊です。塔婆も建てませんし、位牌もなく、過去帳に記録します。
■ 開眼について
塗り位牌を買い求めても、開眼をしていなければ、ただの「板」です。開眼をして頂いて「お位牌」になるのです。位牌が出来たら、菩提寺の住職に開眼をお願いします(入魂式ともいいます)。位牌を作る時、仏壇も新しく購入した場合にはご本尊も一緒に開眼をして頂きます。ご自宅での法要、もしくは菩提寺に位牌・ご本尊・他お供え物等を持込んでの法要も可能です。その時に、白木位牌のお焚き上げも頼んで下さい。その際の、お布施は1万円程度です。(掛からないこともあります)
仏壇にある過去帳にも戒名を記入して頂きましょう。お布施として戒名料と開眼料は別となります。お墓を新しく建立した時も開眼法要が必要です。だいたい納骨時に一緒に行っているようです。お布施はお寺や墓地によって様々ですので相談が必要です。
皆様のご参考になれば幸いです。
By N