家族葬は一般葬と比べて簡略化されているイメージがあり、いざ家族葬を執り行おうと思うとどのような流れで進むのかわからない方も多いです。
そこで本記事では、家族葬全体の流れを詳細にまとめました。この記事を読むと家族葬の流れがわかり、迷わず執り行えるため、初めて家族葬を行う方におすすめです。
家族葬全体の流れ
家族葬は、一般的に下記の流れで進められます。
- 逝去から納棺
- 通夜
- 告別式
- 火葬
- 葬儀後
家族葬は、故人と親しい人々が参列する形式の葬儀です。家族葬全体の流れを把握しておくことで、参列者に迷惑をかけることなく、葬儀を進められます。それぞれの流れをさらに詳しく確認し、故人との時間をゆっくり過ごしましょう。
逝去から納棺までの流れ
逝去から納棺までは、下記の流れで進めます。
- 逝去
- 葬儀社の手配
- 親族・知人への連絡
- 打ち合わせ
- 納棺
親しい人物が亡くなると、多くの方がパニックに陥ります。しかし、親しい家族・親族は、混乱の中でも冷静に行動しなければなりません。そのためには、逝去から納棺までの流れを理解しておくことが重要です。順番に見ていきましょう。
1.逝去
大切な人が危篤状態になった際は病院から連絡があるため、急いで病院へ向かいます。最期を看取ってほしい親族へは、このタイミングで連絡しましょう。病院で逝去した場合、病院の医師が死亡診断書を発行します。
2.葬儀社の手配
死亡診断書が発行されたあとは、葬儀社を手配します。親族で決めておくことが望ましいですが、適切な葬儀社を見つけるのは難しい場合もあります。
そのような場合、友人や職場の同僚にすすめられたところや地元で評判の良い葬儀社、利用した経験がある葬儀社を選ぶと良いでしょう。連絡を受けた葬儀社は速やかに病院に訪れ、遺体を自宅まで搬送してくれます。
遺体の搬送について家族・親族でやるべきことは多くないため、基本的に葬儀社のスタッフに任せましょう。
3.親族・知人への連絡
故人の逝去が確定したら、親族や知人への連絡を開始します。家族葬の場合は、参列してほしい親戚にのみ連絡し、呼ばない親戚には知らせないのが一般的です。
また、連絡をした際は「家族葬なので口外しないでほしい」と伝えなければなりません。連絡をしてもらえなかったことに憤りを感じる方もいるため、伝え漏れがないように注意しましょう。
4.打ち合わせ
参列者への連絡が完了したら、葬儀社との打ち合わせに進みます。打ち合わせでは、
- 葬儀の開催場所
- 日程
- プラン
など、葬儀全体の流れについて細部まで確認します。開催日時を決める際、特別な理由がない場合は逝去から3日後までに通夜、その翌日に葬儀を行うことが一般的です。
5.納棺
遺体を棺桶に納める納棺は、人間の一生の終わりと新たな旅立ちを象徴する重要な儀式です。納棺の際には、故人に化粧や死装束の身支度を行います。さらに、納棺時には故人の思い出の品を副葬品として棺へ納められるので、愛用品を入れてあげましょう。
お通夜の流れ
お通夜は、下記の流れで進めます。
- 受付
- 開式
- 読経・焼香
- 僧侶説法と喪主の挨拶
- 通夜振る舞い
お通夜は故人に対する悲しみと哀悼の意を示す時間であり、家族葬の場合でも役割は変わりません。服装も一般葬と変わらず、喪服を着用します。ひとつずつ見ていきましょう。
1.受付
お通夜に来場された参列者は、受付を通過して名簿に記帳します。参列者が香典を持参している場合は受付で受け取るのが一般的ですが、家族葬の場合は香典を辞退する場合も多いです。
また、家族葬の参列者が少ない場合は、そもそも受付を設けない場合もあるので覚えておきましょう。
2.開式
時間が来れば葬儀場のスタッフから案内があり、葬儀が開始されます。喪主・遺族、参列者は着席し、僧侶の到着を待ちましょう。
3.読経・焼香
僧侶が到着すると読経が始まります。読経が終わると焼香が始まりますが、宗派によっては読経中に行われる場合もあります。焼香は喪主が始めに行い、そのあとの順番は家族・親族・友人の順番です。
焼香のやり方は宗派によって大きく異なりますが、基本的には喪主と同じやり方であげるのがいいでしょう。
4.僧侶説法と喪主の挨拶
参列者全員の焼香が終わると、僧侶が説法を行い、故人の冥福を祈ります。説法が終われば僧侶は退場し、喪主があらためて参列者に対する感謝の意を述べる挨拶をします。
家族葬の場合は、近親者のみのため喪主の挨拶も堅苦しい必要はありません。そもそも省略されるケースもあるため、故人への思いと参列者への感謝の気持ちをしっかりと伝えることが重要です。
5.通夜振る舞い
挨拶が終わると通夜振る舞いが始まります。食事や飲み物を提供し、参列者たちは思い出話をしながら、故人をしのびます。この時間は、故人とのさまざまな思い出を共有し、悲しみを分かち合う大切な時間です。
ただし、家族葬の場合は省略したりお弁当を配ったりする場合もあります。
告別式の流れ
告別式は、下記の流れで進められます。
- 受付
- 開式
- 読経・焼香
- 弔辞・弔電
- お花入れ
告別式は故人との最後の別れを告げ、家族や参列者が故人の冥福を祈る場です。家族葬の場合でも、参列者が故人に心から別れを告げられるよう、適切な流れを理解しておきましょう。順番に紹介します。
1.受付
告別式もお通夜と同様に、参列者はまず受付をとおります。ここで名簿に記帳してもらい、香典を持っている場合は香典袋を受け取ります。受付がスムーズに行われるよう、進行役は受付の流れを理解しておくことが大切です。
2.開式
受付が完了したら、告別式が開始されます。お通夜と同様に、一同が着席し、僧侶の入場を待ちます。また、葬儀社スタッフから案内がある場合もあり、葬儀中の振る舞い方やマナーを説明されるためしっかりと聞いておきましょう。
3.読経・焼香
開式後には、僧侶が読経し、冥福を祈ります。その後、お通夜と同様に参列者一人ひとりが順番に焼香します。故人への尊敬と感謝の気持ちを込めて、静かに手を合わせましょう。
4.弔辞・弔電
焼香の後には、葬儀社のスタッフが弔辞を述べます。また、遠方から来られなかった方々からの弔電も読み上げられます。ただし、家族葬ではそもそも弔電がない場合が多く、省略されるケースも多いです。
5.お花入れ
弔辞と弔電の後は、棺を開け、参列者が順番にお花入れを行います。故人への最後の別れの時間となるため、愛情を込めてお花を入れましょう。お花入れが終わると閉式となり、出棺に進みます。
火葬の流れ
火葬は下記の流れで進められます。
- 出棺
- 火葬
- お骨挙げ
- 初七日法要
- 精進落とし
家族葬では、火葬を親しい人物だけで行います。流れを把握しておくことで、ゆっくりと落ち着いた気持ちで過ごせます。順番に見ていきましょう。
1.出棺
告別式が終了し、遺体が棺に納まった後、出棺の儀式が行われます。出棺の儀式では、遺体が葬儀場所から運び出され、火葬場に移されます。なお、家族葬では、一般葬と異なり参列者全員が火葬場へ移動するのが一般的です。
2.火葬
火葬場に到着すると説明があったのち、火葬が行われます。肉体を持った故人と最後の時間となるため、しっかりとお別れを告げましょう。火葬を待つ間は、火葬場の控え室で待機します。
3.お骨上げ
火葬が終わると、遺骨を骨壺に納める儀式、お骨上げが行われます。足の骨から順に納めていき、最後に喪主が頭がい骨を置いて蓋をします。お骨上げが終われば、初七日法要の会場へ移動しましょう。
4.初七日法要
お骨上げの後、会場に戻り、初七日法要が執り行われます。本来は、亡くなった日から数えて7日目に行われますが、現代では告別式と同日に行われるケースも多いです。この法要では、僧侶による読経と供養が行われ、故人の冥福をお祈りします。
5.精進落とし
初七日法要のあとは、精進落としという会食が行われます。精進落としには、一定期間、自粛していた日常生活を再開する許可を得る意味があり、四十九日のタイミングで行われていました。しかし、現代では告別式と同日に行われるのが一般的です。
最後には喪主の挨拶があり、この時点で告別式から続く当日の流れが終了となります。
葬儀後の流れ
葬儀が終われば一応の落ち着きを取り戻すものの、まだ対応しなければならないことがあります。
- 関係者へのお礼と挨拶
- 役所・保険会社の手続き
特に、故人との接点が多かった親族や友人には、あらためて感謝の意を伝えることが重要です。ひとつずつ解説します。
1.関係者へのお礼と挨拶
葬儀が無事に終了したあとは、関係者へのお礼と挨拶を行います。参列者だけでなく、葬儀社の担当者や僧侶へのお礼も忘れずに伝えましょう。
また、家族葬へ招待しなかった方に、葬儀が終了したことを報告しなければなりません。トラブルにならないよう、丁寧に伝えましょう。感謝の気持ちをしっかりと伝えることで、故人へ送る思いも深まります。
2.役所・保険会社の手続き
葬儀が終わった後は、年金や保険金などの手続きを行いましょう。各種年金の支給申請は5年以内のため、あわてて手続きする必要はありません。少し時間が経ち、身も心も落ち着いた際に申請しましょう。ただし、忘れないように注意が必要です。
家族葬の流れを把握して故人との時間を過ごそう
家族葬を思い出深く過ごすためには、適切な葬儀の進行が求められます。実際のところ、一般葬と比べて大きな流れに違いはありません。しかし、参列者が少ないため、一部の儀式や慣例は省略するケースもあります。
このような家族葬の流れを把握し、故人との時間を大切に過ごしましょう。
なお、家族葬を滞りなく進めるためには、流れを熟知した葬儀社を選ぶことも重要です。アートメモリーは、家族葬の実績も豊富にあるため、遺族の方々を迷わせません。家族葬でお困りの場合は、お気軽にお問い合わせください。