お葬式を執り行うことになると「香典」を受け取ることが一般的で、家族葬も例外ではありません。
家族だけでゆっくり見送りたい、弔問客に経済的な負担をかけたくないとの理由で香典を辞退する場合、会社にどのように連絡すべきか迷ってしまいます。
そこで当記事では、家族葬で香典を辞退する際の会社への連絡方法やマナーについてまとめました。
最後までお読みいただくことで、家族葬で香典を辞退するときの会社への伝え方のポイントや、会社から香典を受け取った際の対応方法がわかります。
会社への香典辞退の連絡がスムーズに行えるように、そのまま使用できる例文付きです。
家族葬を行う場合の会社への対応
家族葬を行う場合、会社には訃報の連絡とともに忌引き休暇の申請を忘れずに行いましょう。
忌引き休暇の申請と合わせて業務の引継ぎも必要なため、可能な限り早く連絡します。
忌引き休暇は労働基準法などの法律で定められた休暇ではありません。
一般的な忌引き休暇の日数は、亡くなった方との関係性により「配偶者10日」「両親7日」「子ども5日」となっています。
ただし、忌引き休暇取得の可否や日数は会社ごとに委ねられていますので、規定に則って取得しましょう。
忌引き休暇申請の他に、以下の内容を会社にはっきりと説明します。
- 誰が亡くなったのか
- 家族葬であること
- 香典や参列を辞退すること
会社に忌引き休暇を取得するうえで葬儀の日程を伝える必要はありますが、会社関係者の弔問を避けるため、あまり訃報を広げないよう協力してもらうことも大切です。
また、電話のあとに香典や参列辞退する旨を改めてメールで送ると、より確実に伝えることができます。
家族葬で会社からの香典を辞退する場合の伝え方・マナー
家族葬で香典を辞退する場合は、正確に会社へ伝えましょう。
会社に訃報が届くと、一般葬の前提で香典や弔問の準備が進んでしまいます。
そのような事態を避けるため「家族葬であること」「香典を辞退すること」をまず伝えることが大切です。
ここでは、電話やメールでの伝え方とマナーについて解説します。
電話やメールで伝える
家族葬の連絡は可能な限り早く会社に知らせる必要があります。
香典を辞退する意思は、明確に伝えることが一番のマナーであり、決して失礼にあたりません。
連絡を受けた会社の人が、家族葬についてあまり認知していない場合も考慮して、電話で伝えた後にメールでも伝えておくとより安心です。
メールで文面化することにより、香典辞退の意向が明確に伝わります。
香典を辞退する理由を明確にする
日本で「相互扶助」の風習として古くから受け継がれている香典は、葬儀になくてはならないものという考えが今も根強く残っています。
そのため、香典辞退を会社に伝える場合には、明確な理由が必要です。
家族葬を行う主な理由のひとつに「香典返しが大変」ということが挙げられますが、そのまま伝えると遺族側の身勝手と伝わってしまうかも知れません。
理由を伝える際に一番無難な内容は「故人の遺志」です。
話の食い違いや行き違いによるトラブルを防ぐためにも、家族間で香典辞退の理由をすり合わせておきましょう。
家族葬で会社からの香典を辞退する場合の例文
家族葬を行うにあたって、会社からの香典を辞退する際の例文を紹介します。
どのような伝え方でも、以下の内容を忘れずに伝えましょう。
- 家族葬であること
- 故人の遺志であること
- 参列、香典の受け取りを辞退すること
上記を踏まえた例文になっています。
このまま使用できますので活用してください。
電話の場合
お疲れさまです。〇〇部の△△です。 昨夜遅くに◆◆が亡くなりましたため、本日お休みさせていただきます。葬儀は故人の生前からの希望で近親者のみの家族葬で執り行う予定です。そのため、大変失礼ながらご参列や、香典といったお気持ちも辞退させていただきます。 忌引き休暇は〇月〇日まで頂きたいと思います。必要な手続きなどありましたら教えていただけますでしょうか。 |
メールの場合
〇〇部 (直属の上司の名前)様 お疲れ様です。先ほどお電話した件について、改めてご連絡いたします。 このたび〇〇年〇月〇日 ◆◆(続柄と名前)が他界いたしました。葬儀のため忌引き休暇を〇月〇日まで取得したくお願いいたします。 なお、葬儀は近親者のみの家族葬で執り行う予定です。故人の遺志により、大変失礼ながらご参列や香典といったお気持ちも辞退させていただきます。 恐れ入りますが何卒よろしくお願い申し上げます。 休暇中の連絡は私の携帯電話(〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇)までお願いいたします。 △△(自分の氏名) |
参列と香典のほかに弔電や供花なども辞退する場合は、その旨も明確に伝えましょう。
家族葬で会社から香典をいただいた場合の対応方法
家族葬で香典を辞退しているにもかかわらず、会社が用意してくれる場合があります。
その場合は連絡の行き違いの可能性もあるため、断らず弔意をありがたく受け取りましょう。
会社から香典を受け取った場合、状況によって対応方法がさまざまです。
ここでは、受け取った香典の対応方法を解説します。
会社・社長名義の場合
頂いた香典の名義が会社や社長の名前だった場合、受け取っても問題ありません。
香典は就業規則の中の「慶弔規則」として定められている場合があります。
会社の規則で経費として計上されることが多いため、遠慮なく受け取りましょう。
会社・社長名義の香典を受け取った場合は、会社経費のためお返しは不要です。
個人名義の場合
会社から個人名義の香典が届く場合もあります。
香典を辞退しているからといって、頑なにお断りする必要はありません。
お相手のお気持ちを無下にすることなく、有り難く受け取りましょう。
個人名義の香典の場合は、お返しが必要です。
「慶弔見舞金」と書いてあった場合
会社からもらった香典に「慶弔見舞金」と書いてあった場合もお返しが不要です。
社長や会社名義と同様に福利厚生の一環として会社の経費として扱うケースが多くあります。
慶弔見舞金を頂いた場合も、遠慮なく受け取りましょう。
家族葬で会社から香典や品物をいただいた場合のお返しの判断基準
前述したように家族葬を行う場合、辞退しても会社から香典を頂く可能性があります。
香典のほかにも弔電や供花、お菓子などの供物が送られてくる場合がありますが「家族葬だから」「辞退していたから」とお礼をしない事は避けましょう。
ここでは、お返しはどのように考えたらいいのか、判断基準を解説します。
香典は半分から3分の1
香典を頂いた場合、家族葬に限らずお返しは「金額の半分から3分の1程度」が基本です。
お返しの品として、不祝儀が残らないようにと意味を込めた「消えもの」を選びましょう。
香典返しでよく使われる品物はお茶やコーヒー、海苔など保存の効く食品や洗剤、石鹸などが挙げられます。
また、会社から個人名義で頂いた香典は、連名になっているケースも珍しくありません。
連名で頂いた場合は、香典金額を人数で割った半分から3分の1がお返しの目安ですが、個包装のお菓子など分けることができる品物も喜ばれます。
近年は、受け取った相手が好きな商品を選ぶことができる「カタログギフト」も人気です。
香典返しに特化したカタログギフトもありますので、送る相手に一番喜んでもらえる方法を選んでください。
弔電はお返し不要
弔電を頂いた場合、お返しは不要です。
お礼状という形が一般的で、葬儀終了から1週間以内を目安にお送りします。
会社から送られてくる弔電は3,000円〜5,000円程度が相場です。
基本的にお礼の品は用意しなくてもマナー違反とはなりませんが、近年は豪華な刺繍の入った台紙やお線香、プリザーブドフラワーなどが一緒になった電報も増えてきています。
高いものだと2万円ほどの電報もあることから、立派な弔電に対してお礼を考えた場合は香典と同じく「金額の半分から3分の1程度の消えもの」を選びましょう。
供花やお菓子の場合
家族葬で香典を辞退している場合も、弔電の他に供花やお菓子などの「供物」が送られてくることも珍しくありません。
一般的に家族葬を含むお葬式では、香典(現金)以外のお返しは不要とされており、負担にならないようあえて供物を選ぶケースも多いようです。
弔電と同じように、葬儀後1週間くらいを目途に感謝を込めたお礼状をお送りしましょう。
供物の場合も3,000円未満はお返しは不要とされていますが、以下の場合はお返しをしたほうがよいと考えられています。
- 1万円以上の高級なお品を頂いた場合
- 葬儀終了後に頂いた場合
- お返しをしたほうがよいか迷った場合
お返しの相場は香典と同様に「金額の半分から3分の1程度の消えもの」です。
家族葬は会社に早めに伝え、香典辞退の際は弔意を大切に
家族葬で会社からの香典を辞退する場合、丁寧に説明して理解してもらうことが
大切です。会社への連絡方法やマナーは以下の通りです。
- 電話やメールで早急に伝える
- 会社からの香典は原則受け取り、経費として計上している場合はお返し不要
- 香典のお返しは「金額の半分から3分の1程度」
- 弔電や供物は基本的にお返し不要、後日お礼状をお送りするのがマナー
- 高額な弔電や供物は「金額の半分から3分の1程度」のお返しをするとよい
葬儀会社がまだお決まりでない方は、「アートメモリー株式会社」にお任せください。故人様との思い出に寄り添った家族葬にするために丁寧にサポートいたします。どんな些細なことでもお気軽にお問い合わせください。