家族葬において誰を「呼ぶ」「呼ばない」は、ご家族が「自由に決めていい」とされています。
しかし、親戚を呼ばないことはできるのか、呼ばない場合はどのように連絡すべきか、いっそ連絡はしないほうがいいのか、迷う方も多いのではないでしょうか。
そこで当記事では「親戚を呼ばない家族葬」について以下の内容を解説します。
- 家族葬とはどこまで呼ぶべき?
- 家族葬に親戚を呼ばない事のメリットとデメリット
- 家族葬に親戚を呼ばない場合の連絡方法や注意点
- 家族葬に誰も呼ばないことは可能?
当記事を最後まで読んでいただくことによって、家族葬に呼ぶ人の基準や呼ばない人への対処方法を知ることができます。
親族間のトラブルを回避するためにも、ぜひ参考にしてください。
家族葬とは?
「家族葬」に明確な定義はありません。
ご家族を中心に故人様と近しい人だけで執り行う葬儀形態を家族葬といい、地域や葬儀会社によって内容はさまざまです。
葬儀の内容は一般のお葬式と同じで「小さな一般葬」と言われています。
あらかじめ人数を限定して執り行う葬儀の形を「家族葬」と表現されていますが、ご家族以外の参列も可能です。
故人様が生前親しくされていたご友人や、見送ってほしいとご希望のあった方はお呼びして問題ありません。
基本的に家族葬の内容は一般葬と変わらないものですが、比較的自由に設定できることも大きな特徴です。
故人様の「趣味を活かしたご葬儀」を行うこともできます。
- 音楽がお好きな方なら「音楽葬」
- お花がお好きな方には「花壇葬」
家族葬はアットホームで、故人様の想いが反映しやすいことも大きな特徴です。
ぜひ故人様がお喜びになるご葬儀でお見送りしてください。

家族葬で親族をどこまで呼ぶべきかの決まりはない
家族葬は自由に呼ぶ人を決めていいとされていますが、先述したように明確な基準はありません。
「親族」とは法律上「6親等内の血族と、配偶者および、3親等内の姻族」と規定されています。
「6親等内の血族」とは6世代後の孫までを指し、人数の把握は非常に困難で現実的ではありません。
家族葬の平均的な参列者は20名前後ですが、迷った場合は以下の人数を基準にしてください。
- 10名程度は故人様の配偶者とお子様及びその家族
- 10~30名は故人様の兄弟姉妹やそのご家族
- 30名以上は故人様のご友人様や孫
ご親族以外でも故人様のご希望があれば最優先にお呼びしましょう。
家族葬に親戚を呼ばないメリットとデメリット
家族葬は少人数で行う葬儀のため「呼ばれた人」と同時に「呼ばれなかった人」も出てきます。
コロナをきっかけに注目を集めている家族葬とはいえ歴史はまだ浅く、理解されていない部分も多いのが現状です。
家族葬に呼ばれた経験がない方が多数のため、イメージが難しいのです。
ここでは、家族葬に親戚を呼ばない場合の「メリット」と「デメリット」を解説します。
メリット
家族葬に親戚を呼ばない1番のメリットは、参列する人数を最小限におさえて、故人様とゆっくりお別れができることです。
親戚を呼ばないことで葬儀費用そのものは大きく減少することはありませんが、おもてなしの料理や香典返しなどは用意せずに出費を抑えることが可能です。
祭壇や会場の規模を小さくすることも、ご家族の判断で容易に行えるのが一般葬との大きな違いといえます。
一般葬の準備はとても慌ただしく過ぎていきます。
その点家族葬では、一般葬でかかる時間を故人様と最期のお別れに使えることが大きなメリットです。
デメリット
親戚を呼ばない家族葬のデメリットは「身内なのに呼ばれなかったことに対する不満や寂しさ」が多くを占めます。
トラブルを回避するためには、葬儀に呼ばない理由をはっきり示すことが大切です。
「自分が呼ばれなかった場合」を想像して、心を込めた対応がトラブル回避のポイントですので、しっかり行いましょう。
また、もう1つのデメリットとして、葬儀の負担額が想像以上に増えてしまう可能性もあります。
家族葬は基本的に参列者が少ないため香典の受け取りは多くありませんが、親戚を呼ばない場合はゼロに近いといっても過言ではありません。
そのため、葬儀費用に香典を充てることが難しく、葬儀の内容によっては費用負担が大きくなる可能性も考慮する必要があります。
家族葬に親戚を呼ばない場合の連絡方法
家族葬に親族を呼ばない場合の連絡方法は、葬儀の「前」か「後」で異なります。
葬儀前
葬儀前に伝える場合は、電話でお伝えするのが一般的です。
足を運べる距離にお住まいのご親戚であれば、直接お伝えするのがいいでしょう。
「家族葬であること」「参列は固く辞退すること」このふたつはしっかりお伝えし、訃報を広げないようお願いすることも大切です。
葬儀後
葬儀後に連絡する場合は、四十九日法要や納骨を終えたタイミングでお伝えします。
お伝えする方法は基本的には書面がいいでしょう。
関係性によってメール、LINEなど使い分けても構いません。
また、近年ではSNSで訃報を知らせるケースが増えていますが、なじみのない世代の方には失礼にあたる可能性があります。
不特定多数の目に触れる可能性が高いSNSの投稿は、見ず知らずの他人から心無いコメントやメッセージが届く可能性もあるため、利用には細心の注意が必要です。
年末が近い場合には、喪中はがきでお知らせする方法もマナー違反になりませんのでご活用ください。
家族葬に親戚を呼ばない場合の注意点
親族を呼ばない家族葬の場合、葬儀終了後に思わぬトラブルに発展することがあります。
今後の親戚付き合いにも関わってきますので、以下を参考にしてください。
なぜ呼ばなかったのか説明できるようにしておく
連絡をする際には「なぜ呼ばなかったのか」をしっかり説明する必要があります。
「お葬式は大人数で盛大に見送るべき」「参列者が少ないと寂しくて旅立てない」などの従来の葬儀に対するお考えが強い傾向の方には「家族葬」への理解は難しいかもしれません。
理解が難しいと思っても「ご逝去のお知らせ」は、葬儀終了後の書面でお伝えしましょう。
書面には以下の内容も忘れずに記載します。
- 亡くなったことの報告、亡くなった日
- 家族葬で執り行ったこと
- 事後報告になったことの謝罪
- 生前にお世話になったことへの感謝
- 弔問や香典を辞退する場合はその旨
故人様の希望で家族葬を執り行った場合には、強調してお伝えすると理解が得やすい傾向があります。
家族葬に至った経緯はそれぞれですが、内容に迷ったら葬儀会社にも相談して心をこめた書面を作成しましょう。
訃報・葬儀の連絡を怠らない
葬儀が終わったあとの人間関係を良好に保つためには、故人様の訃報や葬儀を執り行った旨の連絡は忘れずに行いましょう。
家族葬へ参列いただかない方へお知らせする時期について決まりはありませんが、葬儀終了後1週間後から四十九日法要までの間が多いようです。
どうしても葬儀前に訃報をお伝えしたい場合には、電話で家族葬を行う意思と参列の辞退を丁寧に説明することで、今後の関係性も良好に保つことができます。
ただし、訃報の連絡を受けてもどうしても参列したいという方には、対応に手間取ってしまい負担が大きくなる可能性も考慮してください。
連絡は基本的に書面でお送りすることが多いですが、メールでもマナー違反ではありません。
メールでお知らせする場合には件名に「【訃報】〇〇逝去のお知らせ」などと明記します。
本文は書面と同じで構いません。
くれぐれも送信先の誤りがないよう、メールアドレスはしっかりチェックしましょう。
やむを得ずSNSしか連絡手段がない場合には、個別のメッセージ機能を使うことを推奨します。
家族葬に誰も呼ばないことは可能?
家族葬をごく近しい家族だけで執り行うことは「誰も呼ばない」「知らせない」ことで可能です。
ただし、呼ばなかった親戚への配慮も忘れずに行ってください。
故人様と生前親しくしていた方の場合、せめて最期は見送りたいと思うのは当然です。
故人様と特に親しかった方への対応は、慎重に行いましょう。
事後報告となり悲しい思いをさせてしまったことへのお詫びと、ご理解いただいたことへの感謝を心を込めてお伝えしてください。
家族葬に親戚を呼ばない場合は連絡を怠らずに
家族葬は自由度の高い葬儀ですが、親戚への連絡を怠るとトラブルに発展する可能性があります。
家族葬に親戚を呼ばない場合、トラブルを回避するための要点は以下の通りです。
- どこまで呼ぶか、明確な決まりはないため人数で基準をつくる
- トラブルにならないためには「なぜ呼ばなかった」のか明確にする
- 訃報・葬儀の連絡を怠らないことが大切
故人様との最期をゆっくり過ごすためには、親族の理解がなによりも大切です。
トラブルを未然に防ぐためには葬儀のプロである「アートメモリー株式会社」にご相談ください。
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