現代の葬儀は多様性が増し、家族葬や一日葬などさまざまな種類があります。しかし、何回も経験することではないため、それぞれの違いや特徴をよく知らない方も多いです。
違いを知っておけば、どのような葬儀にするか決める際、スムーズに決められます。忙しい喪主にとって、時間短縮を図れるのは大きなメリットです。
そこで本記事では、下記についてまとめました。
- 一日葬と家族葬の違い
- 一日葬の流れ
- 一日葬のメリット・デメリット
この記事を読むと一日葬の流れが分かるため、これから葬儀を行う予定で一日葬が気になる方におすすめです。
一日葬と家族葬の違い
一日葬と家族葬の違いについて紹介します。
一般葬はもちろん、一日葬と家族葬も大きく異なるため、しっかりと把握しておくことが重要です。順番に見ていきましょう。
そもそも一日葬とは
一日葬とは、1日で終わる葬儀です。一般的に葬儀は、1日目にお通夜、2日目に告別式・火葬を執り行います。
一日葬は葬儀を1日で執り行う形式ですが、一般葬で行う内容を1日に凝縮するわけではありません。1日目のお通夜を省略するのが、一般的です。つまり、一般葬における2日目の内容のみを執り行うのが一日葬です。
参列者や日数が違う
家族葬は、遺族や近しい親族、友人など参列者を限定して執り行う葬儀のスタイルです。葬儀の内容は、一般葬と基本的に変わりありません。
そのため、1日目にお通夜を行い、2日目に告別式・火葬を行います。参列者が少ないため、一般葬と比べて規模の小さい葬儀といえます。
つまり、一日葬はお通夜を省略して参列者を限定しない葬儀ですが、家族葬はお通夜をしたうえで参列者を限定する葬儀です。
葬儀の流れと規模が大きく異なるため、間違えないように注意しましょう。
一日葬にかかる時間
一日葬にかかる平均的な時間は、4〜5時間程度と言われています。お通夜をしない分、日数そのものは短くなります。
しかし、一般葬の2日目と内容は変わらないため、告別式の時間短縮にはなりません。また、内訳は下記のようになります。
- 告別式:1〜2時間
- 火葬:2時間
- 精進落とし:1時間
火葬や精進落としの時間に、大きな変化はありません。ただし、参列者が多くなるほど焼香の時間が長くなるため、告別式の時間は長くなる場合があります。
一日葬にかかる費用の相場
一日葬にかかる費用の平均は、50万円ほどと言われています。もちろん、葬儀社のプランによって異なるため、高い場合は100万円ほどとなる場合もあります。
プランによっては火葬料金が含まれない場合もあるため、事前に確認しなければなりません。このような葬儀にかかる基本料金に加えて、食事の費用や返礼品、お布施などが必要です。
なお、お布施の目安は10万〜30万円ほどと言われています。お通夜がないため、一般葬よりは少ない傾向にありますが、明確な金額は決まっていません。いくら用意すればよいかわからない場合は、お寺に相談しましょう。
一日葬の流れ
一日葬は、一般葬のお通夜(1日目)を省略した葬儀です。そのため、一日葬の流れは一般葬の2日目と変わりません。
- お迎え
- 搬送・安置
- 納棺
- 告別式
- 初七日法要
- 出棺
- 火葬
- お骨あげ
- 精進落とし
基本的には上記の流れで進みますが、宗派や地域によって順番が前後したり、省略されたりする場合もあります。どのような流れで進めるのか、葬儀社のスタッフや遺族と話し合いましょう。
基本的に一日葬でも喪主挨拶は必要
一日葬であっても、基本的に喪主の挨拶は必要です。喪主の挨拶は、参列してくれたことへの感謝や生前に故人が受けた厚誼への感謝、今後も変わらぬお付き合いをいただけるようにお願いするためのものです。
そのため、葬儀が簡略化された一日葬でも喪主の挨拶が重要なのです。なお、挨拶の内容も、一般葬と大きな違いはありません。押さえるべきポイントと例文を簡単に紹介します。
- 長くなりすぎないように注意する
- 忌み言葉や続き言葉を使わない
本日はご多用の中ご参列賜りまして誠にありがとうございます。故人も、こうしてみなさまにお集まりいただき、さぞかし喜んでいることと存じます。今後は生前の故人に接したと同様、残された遺族にもご厚情を賜りますよう、ひとえにお願い申し上げる次第でございます。簡単ではございますが、お礼の挨拶にかえさせていただきます。ありがとうございました。 |
一日葬のデメリット
一日葬を執り行う際の注意点は、下記のとおりです。
- 日程が合わない方は参列できない
- 親族や菩提寺の許可が必要
- 費用が安くならない可能性がある
一日葬は1日で終わることがメリットですが、スケジュールが厳しい方にとっては参列できない恐れがあります。順番に見ていきましょう。
日程が合わない方は参列できない
一日葬は参列できる日が1日しかないため、その日に予定が入っている方は参列できません。一般葬ではお通夜と告別式があるため、「告別式に参列できないから、お通夜に参列しよう」と柔軟に参列できます。
しかし、一日葬では「参列するか・しないか」の2つしか選択肢がありません。たとえば、一日葬を平日の日中に行う場合は、それだけで会社員の方は参列しづらくなります。
そのため、土曜日や日曜日に葬儀を執り行える場合は、参列者の都合も考えて土曜日や日曜日に執り行うのがおすすめです。
親族や菩提寺の許可が必要
一日葬を執り行う場合は、親族や菩提寺の許可が必要です。遺族には、お通夜がないことに不満を感じる方もいるかもしれません。
強引に話を進めても気持ちよく故人とお別れできないため、しっかりと話し合うことがおすすめです。
また、菩提寺にも話をする必要があります。菩提寺とは先祖代々の墓があり、葬儀を依頼するお寺のことです。菩提寺に話をしなければ、トラブルに発展する恐れもあります。そのため、勝手に話を進めることがないように注意しましょう。
費用が安くならない可能性がある
一日葬は、1日で葬儀が終わるため費用が抑えられますが、劇的に抑えられるわけではありません。葬儀自体は1日で終わりますが、ご遺体を安置するために前日から葬儀場を借りる必要があります。
そのため、葬儀場の利用期間は2日となり、大きな費用削減につながらない可能性があるのです。ただし、一般葬と比べて安くなる傾向にはあるので、少しでも費用を抑えたい方は一日葬がおすすめです。
一日葬のメリット
一日葬を執り行う際のメリットは、下記のとおりです。
- 遺族の負担を軽減できる
- 費用を抑えられる可能性がある
- 遠方からの参列者に宿泊先を手配する必要はない
一日葬は1日で終わるため、遺族の心身にかかる負担を軽減できます。特に、喪主は常に忙しいため、1日で終わることは大きなメリットです。ひとつずつ紹介します。
遺族の負担を軽減できる
一日葬を執り行うメリットとして、遺族への負担軽減が挙げられます。故人がなくなると決めるべきこと、やるべきことが多く、忙しくなります。
さらに、葬儀が終わっても、家族は身辺整理や弔問客の対応など忙しい日々が続きます。特に、高齢者がいる場合は体力面に負担をかけるため、一日葬にするのも検討しましょう。
費用を抑えられる可能性がある
「一日葬の費用が安くなるとは限らない」と前述しましたが、決して費用が高くなるわけではありません。そのため、少しでも費用を抑えたいなら一日葬を選ぶのがおすすめです。
会場の利用料は大きく変わりませんが、下記のポイントで費用の節約ができます。
- お通夜にかかる費用
- 香典返しが少ない
お通夜がない分、全体的な参列者の数は少なくなります。そのため、香典返しのような返礼品の準備も少なくなり、費用削減が可能です。
遠方からの参列者に宿泊先を手配する必要がない
負担軽減と費用の節約にもつながりますが、一日葬を執り行うと遠方からの参列者に対して宿泊先を手配する必要がありません。お通夜と告別式を執り行う際は、両方に参列したい方のため宿泊先を用意する必要があります。
忙しい喪主の仕事をしながら遠方からの参列者を把握し、宿泊先を確保するのは大変です。また、費用も上がってしまいます。そのため、一日葬を開催することで、宿泊先に関する手間や費用は軽減するのがおすすめです。
家族の負担を軽減したい場合は一日葬も検討しよう
一日葬はお通夜がなく1日で終わるため、喪主や遺族の負担を軽減できます。また、費用の節約も可能です。
ただし、喪主や遺族にとってはメリットの多い一日葬ですが、参列しづらかったり比較的新しいスタイルのため困惑する方がいたりする点に注意が必要です。遺族でしっかり検討して、どのような葬儀にするのか決めましょう。
なお、アートメモリーでは、一日葬を執り行う場合のサポートも行っています。お客様に寄り添った内容を提案し、満足いただける業務を実現します。一日葬を執り行う予定の方はお気軽にお問い合わせください。